- 2012年12月
- ノロウィルスについて
ノロウイルスはウイルス性胃腸炎の原因として代表的な小型球型ウイルスに属するノーウォーク様ウイルスが2002年に国際ウイルス学会で新しく命名されたものである。カリシウイルス科、ノロウイルス属に分類されている直径30nmのエンベローブを持たないRNAウイルスである。
ノロウイルスの伝播力、感染力は非常に強く、わずかな摂取で感染する。患者の吐物や糞便中には大量のウイルスが含まれているので注意が必要である。また、乾燥にも非常に強く、二次感染の原因になる。
潜伏期間は1~2日で、主症状は吐気、嘔吐、下痢である。症状は全般的に軽く、通常2、3日で軽快する。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤やワクチンはなく、通常、対処療法を行うが、最も重要なことは経口や点滴等による水分補給により、脱水症状を防ぐことである。ノロウイルスの感染経路は、汚染食品を介した経路と感染者からの二次感染に大別される。食品を介した感染を防ぐには、ウイルスで汚染された食品の調理は加熱を十分行うことが効果的である。また、調理器具の熱湯消毒、塩素消毒、手洗いや手袋の使用などが重要である。人から人への感染予防としては、手洗いやうがいなどが重要とされている。標準予防策の徹底が最も重要で、その他接触予防策や飛沫予防策を実施し、適切な感染予防を行う。特に冬季に多発、流行するので注意が必要である。
- 2012年11月
- 薬の正しい保管のしかたについて
①子供の手の届かないところに保管 子供の誤飲事故の17%が医薬品・医薬部外品によると報告されています。
②湿気、日光、高温を避けて保管薬は湿気や光、熱によって影響を受けやすいため、保管には注意が必要です。また、冷蔵庫で保存するように指示された薬は、凍らせないように注意しましょう。
③薬以外のものと区別して保管 誤飲を避けるため、食品、農薬、殺虫剤などと一緒に保管してはいけません。
④他の容器に入れ替えない 薬を他の容器に入れかえて保管しないようにしましょう。内容や使い方がわからなくなり、誤用や事故につながります。
⑤古い薬は廃棄する 薬には有効期限があります。有効期限を過ぎたものや、見た目に異常がある薬は使用してはいけません。
- 2012年10月
- 小児に関する医薬品の適正使用について
子供は大人を小さくしたものではありません。たとえ体が大きくても、薬の代謝能力は大人と異なります。成人の薬の量を減らして飲ませてもいけません。子供は大人への成長過程であり、肝臓、腎臓などが未発達です。また年齢が同じでも、発達に個人差があります。そのため、大人と薬の代謝能力や吸収が大きく違う場合があるので、用法、用量をまもってください。なお、医薬品副作用被害者救済制度は用法、用量を守った場合のみ適用されます。
- 2012年9月
- 秋の七草について
秋といえば、ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ、そう秋の七草である。春の七草は食用ですが、秋の七草は観賞用とされております。ところが薬草としても有名である。ハギの根は婦人病のめまいに効果的。ススキの根茎に利尿作用。クズは発汗や解熱効果。ナデシコ、オミナエシは消炎、利尿作用。フジバカマはむくみや皮膚のかゆみ止め。キキョウ根は去痰、鎮咳薬。
これらを踏まえて観賞したらいかがかな?
- 2012年8月
- 睡眠の質をあげるためには?
日本人の平均睡眠時間は1960年代では8時間以上とられていたが現在では約50分、減少している。 快眠の要素は4つあると考えられる。
- ①体内時計のリズムを整える(朝、光を浴びる)
②しっかりとした覚醒(日常の中で日中、積極的に活動する)
③眠りの準備(入浴などのリラックス時間を積極的に確保し、カフェインなどを取らない)
④道具や環境の準備や整理をする(寝室環境の整備や温熱環境や光環境への配慮)
つまり体温にもリズムがあり、日中にきちんと活動しておくことが眠りにつきやすい生活のリズムが生まれてきます。
- 2012年7月
- マッサージの健康効果とは?
マッサージの健康効果は大きく分けて2つある。 1つは心に対する効果だ。不安、うつ、などのネガティブな感情が安らぎ、気分が落ち着いたり活気が出てくる。もう1つは体の不調をダイレクトに和らげる効果。肩こり、腰痛、頭痛などの痛みをはじめ、むくみや炎症を抑える作用も確かめられている。
さらにがんや慢性疲労症候群、線維筋痛症といった現代の難病を抱える人の生活の質を向上させる効果があることもわかってきた。研究データは、セルフマッサージではなく、経験豊富なマッサージ・セラピストによるものだ。これは、マッサージを通して人の手のぬくもりや思いやりを伝える‘手当て’としての効果の検証をねらっているから。実際、精神的な要因が強い不調ほど効果が出やすい。
効くメカニズムも近年、明らかになりつつある。マッサージで癒されたい人はまず身近な人にやってあげるのがお薦めだ。効果を実感できれば、相手からもお返しのマッサージをしてもらえるはずだ。
- 2012年6月
- Q:クラゲやエイに刺されたときは、どのように対処すればよいですか?
A:クラゲに刺された場合は、刺された部位を海水で洗います。真水で洗うと、毒素が出て逆に悪化する場合があります。その後、ステロイドや抗ヒスタミン薬を含有した軟膏剤、解熱鎮痛薬などを使用します。エイの場合には、毒素は熱に弱いので、耐えられる程度の熱さの湯に損傷部位を浸すと疼痛は改善されます。毒針や毒針の皮膜の残りがあれば完全に取り除きます。損傷がひどいときには皮膚の縫合が必要になります。
- 2012年5月
- ロタウイルス胃腸炎とは?
乳幼児がかかりやすく、下痢や嘔吐を起こすロタウイルス胃腸炎は、3月から5月が流行のピークです。感染性胃腸炎の原因となるウイルスは、ノロウイルスをはじめ20種類以上あります。乳幼児を中心に流行するロタウイルス胃腸炎は、ほかに比べ嘔吐や下痢が長引いたり急激に起きたりして、脱水症が起こりやすい。感染ルートは感染者の便や嘔吐物に含まれているウイルスが手などに付き、口から体内に入るのが主です。感染を防ぐ基本は、ウイルスを洗い流すこと。(手洗いを徹底する)ウイルスを殺すには、次亜鉛素酸ナトリウム(家庭なら塩素系漂白剤)か熱湯での消毒が必要です。感染してしまったら、おなかを休める。吐き気があるうちは固形物を食べない。そして水分補給。ただ、水分補給も吐いた後すぐではなく30分から1時間ほどして落ち着いてから少しずつ摂るようにする。
- 2012年4月
- 超善玉ホルモン「アディポネクチン」ってなに?
アディポネクチンは内臓脂肪細胞で作られる超善玉物質で、大阪大学分子制御内科学教室の松澤教授のグループによって発見された物質(超善玉ホルモン)です。内臓脂肪と相関し、内臓脂肪が増えれば血液中のアディポネクチンは減少します。
心筋梗塞などの冠動脈疾患の患者でアディポネクチンが低い群ほど死亡率が高くなります。また糖尿病患者でもこのアディポネクチンの数値が低く、糖尿病におけるインスリン感受性が低いことも報告されており、動脈硬化も高率に発現するようです。
このため、アディポネクチンは、世界中の研究者が健康維持に最も重要な役割をするものであると着目し研究されています。まさに今、生活習慣病やメタボリックシンドロームの中心的存在として注目される「アディポネクチン」は、超善玉ホルモンなのです。
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